去勢手術
結構多い質問なのですが、最近特に増えたので紹介します。ペットの去勢手術をすべきかすべきでないか?時期は何時ごろが良いか?・・・この質問は圧倒的に多いですね。
当犬舎は全ての方々に同じメッセージを送信させて頂いておりますが、この場においても記述したいと思います。
まず、オスの話ですが当犬舎では去勢はしていません。理由は「種の保存」もありますが、する必要が無いと思っています。メスと違ってオスの去勢は簡単な手術で費用も安いと聞きますが、飼育するなかで去勢しなければならない理由がありません。
一般のご愛犬にとっては全て飼い主様の判断です。去勢を検討されている方々の理由は、万が一散歩などで人様のメスに掛かってはいけないとか、去勢をすれば大人しい性格になるとか、寿命が延びるなど聞いたそうです・・・。
まず、確実に言えることですが通常散歩中にメスに間違って掛かってしまうほど交配は簡単なものではありません。偶然にそうなる確立がゼロとまでは言い切れませんが、そうなる前に互いの飼い主が犬を引き離せばどう考えてもそうのような結果にはならないでしょう。
また、去勢をすると性格が変わるという話も個体差によってはそのようなパターンもあるのかも知れませんが必ずしもそうなるとは限りませんし、去勢したオス犬の所有者様からそのような話を私は耳にしたことがほぼありません。
更に寿命が延びるという話ですが、一説では去勢したことで男性ホルモンの分泌が抑制され丈夫な体になるとか、それによって病気になりにくくなり寿命が延びるとか耳にした事はありますが、医学的に明確な裏づけや根拠があるのか定かではありません。ただ、犬より猫のオスは去勢すると顕著に性格が変わると耳にしたことは多々あります。
次にメスの話ですが、避妊手術の目的として多く挙げられることは、子宮などの病気の予防やヒートの際の出血で汚れないようにしたいとか、万が一野良犬などと掛かってしまったら責任が持てないなどがあります。
オスと違ってメスの手術は簡単ではありません。高度な手術ではありませんが、多くの獣医師が一泊入院を勧めます。また、ヒートの前後特に出血後しばらくは手術は出来ません。麻酔はほぼ全身麻酔です。
ただ、メスの避妊手術は当犬舎でも過去に行っております。6歳を過ぎたメスに出産はさせない方針なので、出産後一定期間を経て避妊手術をしました。確かに避妊手術をすれば子宮の病気などの予防になりますし、ヒートも来ませんので安心です。ただ、気をつけなくてはならない事として、術後肥満傾向になる犬が多いという点です。これも体質なので一概に言えませんが、半数以上の犬は術後太ると耳にしますしそういう犬を過去に見てきました。
オスもメスも去勢手術を決断するのは飼い主様の判断です。ただ、当犬舎がお伝えしたいことは「去勢する必要が今あるかどうか。」その点だけです。例えば、メス犬を所有されている方が「ウチは家飼いだから、他のオス犬と接触する事がない。」「定期健診で子宮の病気の検査はしているので心配ない。」「ヒートが来ても、その期間はショーツを履かせるので大丈夫。」など、去勢する必要が無い状況であれば無理にしなくてもいいでしょうし、逆に日々細かいケアが出来ないので早めに去勢した方が安心と言うのであればそれも良いと思います。
重なりますが要は、ご愛犬にとって「今、それが必要かどうか。」だと思います。長い犬の一生のなかで、飼い主がしてあげる事は犬の為はもちろんですが、飼う人間の考え方によってそれは決まります。去勢するしないで後悔することは無いと思いますが、是非しっかり考えて必要な手術かどうか判断されれば幸いに存じます。
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